ご冥福をお祈りします

お隣の家のおばあちゃんが、亡くなった。

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東京で賃貸アパートやマンションを転々としていた私たちが、ようやく家を買って初めての本腰入れて近所付き合い。上手くやっていけるか?不安入り混じる心境で、挨拶をしたり、実家から送られてきた野菜やお土産をお裾分けをしたり、立ち話をしたりしてきた。

おばあちゃんは、旦那さんと二人暮らし。
私たちが引っ越して来た同時期位に娘さんを亡くしていた。娘さんの婿さんと孫たちは、杉並に住んでいて工務店をやっていると聞いたことがあった。

旦那さんは、寝たきり車椅子の生活で、おばあちゃんは「老老介護よ。」と言い、たまに喧嘩したと愚痴を言いつつも旦那さんを大切にしているのが分かった。
「何かあったら声かけてくださいね。」と申し出たが、週に何回かヘルパーさんが来て、色々やってくれているので大丈夫と言われてた。
ご近所さんにご迷惑かけられないという、まさに東京のおばあちゃん。

二年前、「来週からしばらく入院しますので。」と丁寧にお知らせしてくださって、「癌が見つかっちゃってね。以前もやってるから、またかぁーって。もう、いやんなっちゃう。」と苦い顔をしながら話してくださった。
しかし、入院は予定よりも短く、早く自宅に戻って来られ、「お医者さんが『思ったより出血も少なかったから、手術も早く終ったし退院も早いよ。』と言ってね。」と嬉しそうに仰っていた。

しかし、義父のことを思い出した。
癌で手術が必要だと、田舎のかかりつけ医から東京の病院を紹介され、開腹したのだが、施しようが無いと判断で、すぐに閉じられたそうだ。予定の手術時間より早く終って、家族に説明されたのが、余命宣告と自宅での介護。
もしや!と、おばあちゃんの事が心配になった。

お住まいの二階をアパートとして貸しており、震災後に大学卒業後、東北の実家に戻ることになった学生さんが引越してからずっと空き部屋になってから、新しい入居者がなかなか決まらないと、退院後、業者さんに頼んで外壁を綺麗にされた。
ペンキ塗りの為の足場をウチの庭を使わせて欲しいというので、もちろん承諾した。
「見た目だけでも綺麗にしないとねぇ。新しい人入ってくれないから。」と。

ある時は、手作りのポテトサラダを持って来てくれた。
「作り過ぎちゃって。一人で食べきれないから。塩分制限されてるから、薄味で口に合わないかもしれないけど。」
ウインナー入りのポテトサラダ、すごく美味しかった。
お返しに何か持って行くと、別の物をくれたりして、物々交換は、エンドレスになってしまう(笑)

でも、こういう些細なやり取りが、お隣さんと気持ち良く付き合いが出来る大事なことかもしれないし、何かの時は助けてあげなきゃ!と思っていた。

そして、昨年秋頃、お隣の電気がずっと暗くて留守なのか?と気になっていて、いつも出入りする駐車場を借りているお掃除のおじさんに聞いてみた。すると、総合病院に入院してて、もうすぐ退院するということらしい。

お見舞いに行くことも考えたが、退院間近というので返って恐縮されそうなので、帰ってくるのを待つことにした。

痛々しい首にギブスをされていた。
聞くと、大柄な旦那さんを起こそうとして抱えた時に転倒しケガをされたそうだ。
入院生活の退屈さ、早く退院させてくれと医師に言ってたこと、こんな身体なので旦那さんは別の施設にお願いしてること、久しぶりに帰ったらネズミの死骸があって、などたくさんお話してくれた。
元気に戻って来てくれたのが嬉しくて、買い物が必要なら行きますよ、食べ物は?何か用事があったら直ぐに電話してくださいと大きな文字で電話番号を書いた紙を渡した。
退院祝いのお花を持って行ったら喜んでくださった。

そしてまた、家の灯りが消えている日が続いていて、気になっていた。
先週、家の前に車が停まっていて、おばあちゃんの家で誰かが片付けをしている様子を見かけて、まさかと思っていたが、嫌な予感は当たってしまった。


オシャレで可愛らしい おばあちゃんだった。
私の家族も、訃報を聞いて、とても残念に思っていた。


もっと頼ってくれても良かったのに。
あまり助けになれなくて すみませんでした。

ご冥福を心からお祈りします。

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